退職することを決めた時、頭によぎるのは「退職後の生活費」ではないでしょうか?
転職先が決まっていて、退職後まもなく働けるのであれば問題なく生活ができますが、何かしらの理由によって転職先が決まらない状態で退職をする場合が、決まるまで収入がゼロになってしまいます。
そんな時に受給申請したい制度が「失業手当(失業保険)」です。
在職中に雇用保険に加入していれば失業理由に関わらず受給できるので、退職後の生活に役立てることができます。
この記事では、そんな「退職した時にもらえる失業手当(失業保険)の支給額と受給期間」について解説していきたいと思います。
失業手当を受給するには条件をクリアしなければならない
冒頭で「在職中に雇用保険に加入していれば失業理由に関わらず受給できる」と挙げましたが、中には雇用保険に入っていたにもかかわらず受給できない人が存在します。
以下の2つの条件に当てはまらない人は、失業手当を受給することができませんので注意しましょう。
・離職日以前の2年間のうち12ヶ月以上雇用保険に加入している
・就職しようとする意志があり、就職活動を実際に行っている
このような条件があるので、雇用保険の加入期間が短かったり、怪我や病気、妊娠などによって働けない場合には受給することが残念ながらできません。
失業手当はいくら受給できるの?
失業手当が受給できるとわかれば、経済的にも精神的にもかなり安心ですよね。
しかし、気になるのはその受給額です。
生活をしていく上で必要最低限の金額がもらえなければ、生活が成り立たなくなってしまいますし、安心して転職活動を行うことができませんよね。
結論から言うと、失業手当は人によって受給額が違います。
その算出方法は、「退職前の賃金合計(6ヶ月分)÷180」で賃金日額を算出し、「賃金日額×給付率(年齢によって異なる)」によって基本手当日額を算出します。
給付率は、50%~80%(60歳~64歳は45%~80%)となっていて、賃金の額が低いほど高い給付率となっています。
基本手当日額には上限が定められています。
・30歳未満/6,760円
・30歳以上45歳未満/7,510円
・45歳以上60歳未満/8,265円
・60歳以上65歳未満/7,096円
どのような年齢、収入額であったとしても、在職していたころと比べれば大幅に金額は下がってしまいますが、最低限の生活をする程度は受給できるので、非常にありがたい制度だと言えます。
この制度があることで、就職活動に集中することができるのです。
失業手当が受給できる期間
自分の基本手当日額が分かると、「どれくらいの期間受給できるのか?」ということも気になりますよね。
受給期間は基本的に雇用保険への加入していた機関の長さと退職理由によって変わります。
小見出し:自己都合の場合
自己都合で会社を退職した場合は、以下のような給付期間となります。
・雇用保険の加入期間が1年以上10年未満/90日
・雇用保険の加入期間が10年以上20年未満/120日
・雇用保険の加入期間が20年以上/180日
会社都合の場合
会社都合で会社を退職した場合には、以下のような給付期間となります。
・雇用保険の加入期間が1年未満/90日
・雇用保険の加入期間が1年以上5年未満/30歳未満90日、30歳以上35歳未満120日、35歳以上44歳未満150日、45歳以上59歳未満180日、60歳以上65歳未満150日
・雇用保険の加入期間が5年以上10年未満/30歳未満120日、30歳以上44歳未満180日、45歳以上59歳未満240日、60歳以上65歳未満180日
・雇用保険の加入期間が10年以上20年未満/30歳未満180日、30歳以上35歳未満210日、35歳以上44歳未満240日、45歳以上59歳未満270日、60歳以上65歳未満180日
・雇用保険の加入期間が20年以上/30歳以上35歳未満240日、35歳以上44歳未満270日、45歳以上59歳未満330日、60歳以上65歳未満240日
失業手当の手続きは離職後早めに行う
退職をしたならば、なるべく早く失業手当受給の手続きを行う必要があります。
なぜならば、「ハローワークでの手続きが完了した後に待機期間があるから」です。
会社都合で退職した場合でも、手続き後「7日間」の待機期間があり、それから受給対象期間が始まります。
また、自己都合の場合には、この7日間の待期期間にプラスして「2ヶ月間」の給付制限期間が設けられているのです。
手続きが遅くなればなるほど受給開始日が遅くなるので、できる限り早めに手続きをした方が良いでしょう。
また、退職する際は必ず会社から「雇用保険被保険者離職票」を発行してもらうようにしましょう。
他にも、「マイナンバーカード(もしくは身元が確認できるもの)」や「証明写真2枚」「印鑑」「預金通帳もしくはキャッシュカード」も必要となるので、ハローワークでの手続きの際は必ず持っていきましょう。
まとめ
今回は、「退職した時にもらえる失業手当(失業保険)の支給額と受給期間」について解説してきました。
失業手当は、「離職日以前の2年間のうち12ヶ月以上雇用保険に加入している」「就職しようとする意志があり、就職活動を実際に行っている」という条件をクリアしていれば、受給することが可能です。
年齢や失業保険の加入期間、直近6ヶ月の給与額などによって受給金額や受給期間が違いますが、最低限の生活ができるくらいの金額は受給できるはずです。
転職先が決まらない状態で退職した人は、積極的に失業手当の制度を利用して就職活動に集中するようにしましょう。