勤めていた企業を退職する際、会社都合での退職にできるような雰囲気ではないため、やむなく自己都合退職という形で退職する人も意外と多かったりします。
しかし、例え自己都合という形で退職したとしても、ハローワークで失業手当の認定を受ける際に「会社都合」として処理してもらえるケースがあります。
自己都合退職か会社都合退職かによって、失業保険の受給内容に大きく影響を及ぼすので、非常に重要な違いとなります。
この記事では、そんな「ハローワークでの処理が会社都合退職になるケース」について解説していきたいと思います。
会社都合と自己都合では、失業保険の内容が変わる
自己都合で会社を退職し、ハローワークに失業保険の受給手続きをしに行くと、7日間の待期期間の後、2ヶ月の給付制限期間が設定されます。
要するに、最初の失業手当金を受給できるのは2ヶ月~3ヶ月後となってしまうわけです。
退職届に「自己都合」と書けば良いだけなので非常に簡単ではあるのですが、自己都合退職にはデメリットもあるわけです。
素早く失業手当金を受給できるので、生活に困る可能性が低くて済むのです。
また、会社都合退職の場合は、失業手当金の金額も高く、給付期間も長くなります。
ハローワークでの処理が会社都合退職になるケース
冒頭でも挙げた通り、もしも「自己都合退職」という形で会社を退職したとしても、以下のようなケースでは会社都合として処理してもらえる可能性があります。
1つずつ挙げていきましょう。
辞める前の3ヶ月間毎月45時間以上残業している
労働契約書や給与明細などを用意できることが条件となりますが、辞める前の3ヶ月間毎月45時間以上残業している場合には会社都合として処理をしてもらえる可能性があります。
タイムカードなどのコピーを取っておくとより可能性が高くなることでしょう。
給料が減額されている
それまでの給料に対して85%以下に減額されてしまった際には会社都合退職として捉えられる可能性があります。
業務内容が大幅に変更された
入社した際の業務内容が大幅に変更された際も会社都合退職として処理してもらえる可能性があります。
セクハラやパワハラ
セクハラやパワハラといったものも当然会社都合として捉えることが可能です。
遠方の勤務地への変更
会社のオフィスの移転などによって通勤が困難になった(通勤に2時間以上かかる)ケースも会社都合に該当します。
入社時の労働契約書に「転勤無し」と記載されていれば、非常に有効だと言えます。
給料の未払い
給料の3分の1以上の金額が2ヶ月以上未払いであった場合にも、会社都合として受理してもらえる可能性があります。
会社からの休職命令
自らの申し出による休職ではなく、会社からの休職命令があり、3ヶ月以上続いた場合には、会社都合に該当することになります。
会社都合の場合には面接時に説明が必要になる可能性あり
ハローワークに会社都合で受理してもらえれば、給付制限期間もなく給付金額も多くなり、期間も長くなるというメリットがありますが、面接時に退職理由を聞かれてしまうのはデメリットであると言えます。
例えばその理由が会社の倒産などであれば、詮索されることもありませんが、「解雇」などの理由であった場合は「何かしら問題がある人物なのでは?」と勘繰られてしまうかもしれません。
また、会社都合であるにもかかわらず自己都合退職と嘘をついてしまうと、後々何かのきっかけでその違いが発覚された際にトラブルになる可能性があります。
まとめ
今回は、「ハローワークでの処理が会社都合退職になるケース」について解説してきました。
勤めていた会社を退職する際、円満に退職できるとは限りませんよね。
明らかに会社都合であるにもかかわらず、自己都合の退職を促されるというケースは意外に多いものです。