もしも今現在勤めている会社を退職したとしても、「失業保険が受給できるから大丈夫」と思っている人も多いのではないでしょうか?
確かに、自己都合退職では待期期間こそあるものの、雇用保険の加入期間が長ければかなり長期間ある程度の金額を毎月受給できるので、じっくりと就職先を探すことができるように感じますよね。
しかし、実際にはそれほど精神的に余裕な状態で過ごせないという人がかなり多かったりします。
いったいなぜ彼らは失業保険を受給しながらもじっくりと就職活動ができないのでしょうか?
この記事では、そんな「失業保険の受給中にじっくり余裕を持って就職活動ができない理由」について解説していきたいと思います。
失業保険の受給中にじっくり余裕を持って転職活動ができない理由
失業保険を受給できる期間は、雇用保険の加入期間や年齢によって変わります。
この日数だけ見ると、安心してじっくりと転職活動が行えると思いますよね。
しかし、実際には常に不安な気持ちで受給期間を過ごしている人も多かったりします。
その理由をいくつか挙げていきましょう。
受給金額だけでは毎月の生活費が賄えないから
失業保険の受給金額は、およそ退職前6ヶ月間の給与の50%~80%となっています。
しかし、実はこの給付金額が大きな落とし穴になるケースが多かったりします。
退職する前の生活を一度考えてみましょう。
住宅ローンや賃貸の家賃、光熱費、食費、電話代、ガソリン代、レジャー費、その他返済費など、毎月支払っている金額があり、それらを給与から支払っていたはずです。
意外と毎月生活するのに精一杯で、あまり貯蓄ができない人もいるはずです。
また、貯蓄ができる人であっても、毎月3万円~5万円程度であるケースがほとんどでしょう。
しかし、失業保険では毎月30万円の給料があった人は、およそ15万円~24万円となります。
実際にその金額で毎月生活をすると考えるとどうでしょうか?
毎月生活するのに精一杯な人は、足りない6万円~15万円を工面しなければなりません。
貯蓄ができていた人であっても、1万円~10万円程度生活費が足りなくなってしまいます。
受給期間が半分を過ぎるころには焦りを感じるようになるから
もう1つの落とし穴は、「なるべく長く受給したい」という欲が出てしまうことです。
何とか受給金額内で生活ができている(もしくは貯金を若干切り崩す程度で生活できる)場合は、働かなくても生活していけるので、なるべく長く受給していたいという感情が芽生えます。
仕事が大好きな人であれば、「良い仕事があれば早く就職して働きたい」と思うはずですが、それ以外の人は「働かなくてもいい期間が長ければ楽ができる」と思ってしまいます。
受給期間の半分辺りまでは、「まだ期間があるから大丈夫」と安心してしまうのです。
しかし、期間が半分を過ぎ後半戦に差し掛かると、次第に焦りが芽生えてきます。
「そろそろ良い求人がないとまずい」と毎日不安を抱えながら暮らすことになるので、「こんなことなら早めに本格的な就活をしておけば良かった」と後悔してしまうのです。
意外と希望に近い求人が見つからないから
受給期間が長ければじっくりと就活ができるのは間違いありませんが、根本的に希望に近い求人はさほど多くないというのが現実です。
また、もしも希望に近い求人が見つかったとしても、不採用になってしまう可能性も十分にありえます。
失業保険を受給し始めた段階からしっかりと就職活動を行っていたとしても、希望に近い会社に就職できるわけではないということを認識しておきましょう。
まとめ
今回は、「失業保険の受給中にじっくり余裕を持って就職活動ができない理由」について解説してきました。
自己都合で退職した場合には2ヶ月の待期期間もありますし、金額的にも生活をしていくには十分だとは言えません。
また、精神的に油断してしまう可能性も高くなるので、失業保険を受給していても貪欲に就職活動をするようにしましょう。