勤めていた会社を退職しようと考えた時、失業保険の受給を選択肢の1つとして考えている人も多いはずです。
転職先が決まっていれば失業保険を受給せずにそのまま次の会社に入社するかと思いますが、それ以外のケースでは、生活費としての重要な収入源となります。
しかし、そんな退職者にとって大きなメリットとなる失業保険も、デメリットとなるケースがあるのです。
この記事では、そんな「退職前に確認したい失業保険を受給するデメリット」について解説していきたいと思います。
失業保険で得られるメリット
失業保険は、正式には「雇用保険」と呼ばれる制度で、会社を退職した後に一定の要件を満たしている場合に失業手当金が受給することができます。
人によって金額や受給期間などに違いはありますが、次の仕事が決まるまでの期間の生活費を補填できるという大きなメリットがあります。
このメリットがあるおかげで、焦らずにじっくりと再就職先を探すことができるようになるわけです。
また、再就職した際に「再就職手当」がもらえるケースもあります。
失業保険のデメリット
失業保険のメリットを見る限りは、働いていない状態であるにもかかわらず一定以上の収入が得られるので、メリットしかないように思いますよね。
しかし、実は失業保険を受給することでデメリットとなることもいくつかあったりするのです。
具体的に挙げていきましょう。
雇用保険の加入期間がリセットされる
失業保険は、一度退職をし失業保険を受給してしまうと、加入期間が完全にリセットされてしまいます。
「それのどこがデメリットなの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんので、例を出して説明してみましょう。
その後半年ほどしてある理由によってその会社を退職します。
この時、最初の退職後に失業手当を受給してしまっているので、2度目の退職時には失業保険の受給対象外となり1円も手当てがもらえないのです。(過去2年以内に1年以上の雇用保険への加入が条件となるが、リセットされているため半年間しか雇用保険に加入していないと捉えられてしまう)
再就職が不利になる可能性がある
失業保険を受給していると、その間会社員時代よりかは少ないにしろある程度の収入を確保できるので、安心して就職活動が行えます。
焦って自身の希望条件に合っていない会社へ就職するといったリスクを軽減でき、より自分に合った会社へ就職できるっ確率が上がるわけです。
しかし、それゆえに職歴の空白期間が長くなってしまうという事態を招いてしまいます。
実は就職活動の期間が長ければ長いほど、新たな会社への採用率も低くなってしまう傾向にあるのです。
2~3ヶ月であれば特に問題ないですが、半年以上空白期間があるとマイナスに捉えられてしまうこともあると言えるかもしれません。
再就職への意欲の低下
失業保険を受給することで「現状維持バイアス」に陥る可能性があるというのも、デメリットの1つであると考えられます。
人間は、変化することを嫌い、現状維持を望む現状維持バイアスが掛かるケースがあります。
特に失業保険という「労働をしなくても収入がある」という現状は、このバイアスを発動しやすい状況であると言えます。
せっかく希望に近い求人を見つけたとしても、「今再就職したらもったいない(まだまだ失業保険を受給できる)」という心理になってしまうのです。
これは例え真面目な性格である人であっても陥る可能性があるバイアスで、一度陥るとなかなか抜け出せない性質を持っています。
まとめ
今回は、「退職前に確認したい失業保険を受給するデメリット」について解説してきました。
一見するとメリットしかないように思える失業保険ですが、実はこれらのデメリットがあったのです。
もしも会社を退職することが決まった際には、こういった失業保険のデメリットもしっかりと理解した上で受給するかどうかを判断するようにしましょう。